Dr. ひゅうご のブログ

アラフォー内科医です。生活習慣病や消化器疾患の診療、内視鏡治療に携わっています。

血圧が高めといわれたら家で血圧を計ろう

こんにちは、ひゅうごです。
今日は高血圧のお話をしたいと思います。

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高血圧とは

高血圧とはその名の通り血圧が高くなる疾患ですが日本人の約3人に1人は高血圧であると推計されています。日本だけでも約4000万人ということなので本当に身近な疾患ですが患者さんのうち適切に治療されているのはそのうちの半数足らずとも推計されています。
長年にわたり血圧が高いままですと脳卒中や心疾患のリスクを高めてしまうので食事の減塩やお薬の服用でしっかり治療をする必要があります。


高血圧の治療

減塩

高血圧が多いのは日本人がたくさん塩を摂取しているのが関係しています。
高血圧患者さんの場合1日の塩分摂取は6g未満にするよう勧められていますが、即席ラーメンやカップラーメンをスープまで完食するとたった1食で5~6g塩分を摂ってしまいます!
いかに1日6g未満というのが塩分少なめかわかりますね・・・

 

薬物治療

減塩や運動療法で血圧が下がらなければ内服治療の検討が必要です。

持病や年齢などいろんなことを考慮してお薬は選ばれます。

2~3種類を組み合わせて治療することもあるので血圧がちょうどよくなるには数ヶ月かかることもあります。

 

降圧目標

脳卒中心筋梗塞の予防のため130/80mmHg未満を目標とすることが多いです。

ただ75歳以上の人や頸動脈の狭窄を指摘された人は下げすぎの弊害が生じることもあるので少し高めに設定することもあります。

 

家庭血圧の測定の具体的方法

自宅での血圧測定は病院での測定以上に重要視されていますので血圧計を1台もっておくのはおすすめです。

手首で計るタイプもありますが、上腕タイプのほうが数値が正確なのでおすすめです。

 

続いてタイミングについてお話します
基本的には朝・就寝前の1日2回の測定がいいと思います。
・朝は起きてから1時間以内

・排尿後

・朝の薬を飲む前にしましょう
排尿後に計るのは、朝に膀胱が張った状態では血圧が上がりやすくなってしまうからです。

また朝と就寝前に2回ずつ計るのが大切です。
1回だけですと変動が大きくなって正確な血圧を反映しにくいからです。
2回測定して平均値をとったほうがブレが少なくなるんですね。

注意!
患者さんによっては、毎朝3・4回測定して一番よかった(低かった)ものを記録するということがありますが、お気持ちはよくわかるんですが基本的にはNGなんです。
そもそも治療指針がそういった計り方を想定していないですし、手間がかかって結局血圧を計るのが面倒になってしまうからです。

それから可能であれば、朝7日分の平均値、就寝前7日分の平均値を計算してみてください。
日々の体調や気温の変化による血圧のブレをならすことができるので、手間はかかりますがおすすめです。

 

続いて血圧を計るのに欠かせない血圧計についてです。
昔なつかしい水銀血圧計は製造禁止となっています。
最近では医療機関でもほとんど見かけることはなくなりました。
バネ式アネロイド血圧計は場所を取らず便利ですが狂いが生じやすいので現在は推奨されていません。
家電屋さんやホームセンターで変える、承認された上腕式の電子血圧計がいいでしょう。

    
まとめ

血圧計は上腕式・無線接続・アプリ対応のものがおすすめです。
計った血圧を自動でスマホへ飛ばしてくれ自動で平均値計算までやってくれるのでとても時短になります。
それでは。