Dr. ひゅうご のブログ

アラフォー内科医です。生活習慣病や消化器疾患の診療、内視鏡治療に携わっています。

コロナの後遺症は怖いもの?

こんにちは、ひゅうごです。

今日は新型コロナウイルス感染の後遺症について考えてみたいと思います。

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下記のような記事がありました。

コロナ後遺症 長期化
新型コロナウイルス感染後、長期間続く「後遺症」に悩む患者が増えている。倦怠感や認知障害など症状が多岐にわたるうえ、1年以上も続くケースがあるなど、実態が徐々に見えてきた。さらなる実態解明とともに、長引く症状に苦しむ人への支援の拡充が急務だ。    読売新聞 2021年10月25日

コロナウイルス後遺症とは

新型コロナウイルス感染者は世界累計で2億人を超えて、高齢者や糖尿病・免疫不全などの基礎疾患のある人を中心に重症化しやすいことがわかっています。
一方、後遺症に関してははっきりわかっていませんでしたが、少しずつ調査が進められているようです。

コロナで入院した患者さんの後遺症では、20~50歳代の患者さんが増えてきているようです。
また、症状として疲労感・倦怠感・息苦しさ・睡眠障害・思考力の低下・脱毛などがあることが調査でわかっています。

なかには症状が半年以上続き休職を余儀なくされる患者さんもいるとのことで後遺症の深刻さがわかりますが、個人的には後遺症に関しても ”正しく恐れる” ことが大切だと考えます。

コロナ後遺症を”正しく恐れ正しく備える”

その理由として、コロナ後遺症のメカニズムがまだ解明されていないことを挙げたいと思います。
後遺症として報告されている、疲労感・倦怠感・息苦しさ・睡眠障害・思考力の低下などのいずれも入院治療を経験した人であればコロナ感染症に限らず起こりうるものです。
肺炎であれ骨折であれ検査入院であれ、入院中には環境の変化や行動の制限がかかり、大きな身体的・精神的ストレスがかかる可能性があります。
その結果 上記のような ”後遺症” が生じることは十分にありえます。
コロナ後遺症として報告されているものが、新型コロナウイルス感染症に特有のものなのか入院全般に共通のものなのかはまだはっきりしていないというのが現状だと思います。

誤解がないようにお話しますが、コロナ後遺症が軽いものだと言っているのではなく、”正しく恐れること” と ”正しく備えること” が肝心だということです。

”正しく恐れ正しく備える” とは繰り返し強調されているように、外出時ははマスクをする・手洗い・アルコール消毒をする といったことです。

また、生活習慣病治療に従事するものとしては運動と睡眠の重要性もここで強調しておきたいと思います。

上記のように20~50歳代の働き盛り世代の後遺症が増えているのは、働き盛りの人たちが多忙のため十分な運動や睡眠の時間がとれていないことも一因と考えます。

こんなときだからこそ、以前より1000歩/日多く歩くようにする・以前より30分長く眠るようにすることで免疫力を高め、重症化や後遺症を防げることが期待できます。

”正しく恐れ 正しく備える” ことを続けて、後遺症の解明が進むことを切望しています。それでは。