Dr. ひゅうご のブログ

アラフォー内科医です。生活習慣病や消化器疾患の診療、内視鏡治療に携わっています。

基本の手指衛生について

こんにちはひゅうごです。今日は感染症対策の基本の手洗いについてお話したいと思います。
目に見えないだけに普段あまり意識することのない”微生物” ですが、環境中や生物の体表・体内には様々な微生物が存在しています。
微生物には大きくわけて細菌・ウイルス・真菌などがありますが、日常生活の中で特に問題となりやすいのが細菌やウイルスです。
私たちの手指にも目に見えない無数の細菌やウイルスが存在していますので、新型コロナウイルスパンデミックが完全に終息するまでは引き続き手指衛生をしっかり行っていく必要があります。


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目次
1. 手指衛生の種類
2. 手洗いと速乾性アルコール製剤の特徴
3. 子供の手指衛生
まとめ[:contents]

1. 手指衛生の種類
手指衛生には食事の前やトイレの使用後など日常生活で行う手洗いである ”日常手洗い”と 主に医療従事者が医療行為や介護の前後などに行う手洗いである”衛生的手洗い”があります。
日常的手洗いは石鹸と流水で行う一般的な手洗いです。一方 衛生的手洗いは石鹸と流水を用いる手洗いに加えて速乾性アルコール製剤も用いる手洗いのことで、より手指の衛生度が高まります(より微生物の少ない状態になります)。
ここでお気づきの方もいらっしゃると思いますが、現在このコロナ禍の中でしきりに励行されているのは 平時では医療者にしか求められないような”衛生的手洗い”です。
このような高度な手洗いをパンデミック以降 全国で力を合わせて行っていることが日本での感染を比較的少なくすることに繋がっていると思われます。

2. 手洗いと速乾性アルコール製剤の特徴
現在私たちがおこなっているのは、手洗いとアルコールを組み合わせた手指衛生ですが、それぞれの特徴について見てみましょう。
手洗い・・・目に見える汚れがあるときに行う方法。大まかに手指衛生して微生物の数を減らすことが目的。アルコールが効きにくいノロウイルスなどの微生物に対してもウイルスの数を減らすことで効果を発揮する。頻回に手洗いをすると手荒れしやすいのがデメリット。保湿剤も一緒に使いたい。
速乾性アルコール製剤・・・目に見える汚れがないときに使うもの。手荒れしにくい製品も増えている。手洗い場がない場所でも容易に使用できる。火気の近くでは注意が必要。

3. 子供の手指衛生
子供には目に見えない微生物やアルコールによる除菌の概念は理解しづらいものなので、イラストや歌を使いながら楽しく慣れてもらうことが大切です。かめ、おおかみ、バイクなど子供が親しみやすい例えを使ったポスターや動画も利用するといいでしょう。

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こどもチャレンジ

まとめ
1日でも早くポストコロナを迎えられるように引き続き感染対策を行っていきましょう。
余談ですが、店舗に設置されている速乾性アルコール製剤をほんの少し手が湿る程度 ”浅押し”している方を見かけることがあります。ジェルタイプであれ液体タイプであれ基本的にはワンプッシュ ”止まるところまで押し” と考えてよいでしょう。アルコールのボトル自体は多くの人が触ることで感染源となる恐れがありますので、十分量のアルコールを出して消毒するようにしましょう。それでは。